1話観た感じのファーストインプレッションは面白くアニメの形に仕上がっているサイバスター(バンプレスト版)
専門用語が飛び交ったり多少思わせ振りな言動が目立つ以外には全般的に高水準なクオリティで今年のアニメとしては圧倒的に良い部類に入ると思う。
ただ本作は明らかに宣伝が足りてないのが惜しい・・・久々の梶原正樹作品、天地無用シリーズではあるが新規ファンが楽しめるような作りであるし、何より本作の一アニメとしてのクオリティが高いので特に90年代のアニメを好んで観ていたユーザーには是非オススメしたい作品である。
物語、設定は異世界に飛ばされた主人公が奮闘するという90年代的な王道な感じで、キャラの立ったヒロインが数多く登場するハーレムモノ。
ただ根本にあるシリアスな設定に温さは見受けられず、少なくとも1話の時点では一ロボットモノとしての面白さなどが確かに感じられた。
魔装機神みたいな機体による戦闘シーンは昨今では珍しいセル画的、動的な動きをするもので
もっさりとした3Dロボットに飽き飽きしていた私にはとても好印象だった。
2話からは1話のシリアスなモノからうってかわって学園での日常生活が中心となり、これが暫くは続く。
魔装機神の戦闘を小出しにしていくつもりはなさそうであるし、今後はOVAというよりは1クール作品として構成を見ていきたいと思う。
正直天地無用シリーズは樹雷の家系図云々の設定とか凝り過ぎちゃってる割に新作出して新情報を小出しにしてい形になっちゃっていて正直もうその辺はどうでもいいや、とは思ってた。
出来自体はイマイチだったけれど「新天地」みたいな仕切り直しをした方が旧作の遺産をずるずると使い倒していく形よりは良いんじゃないかぁとも、この前の「スレイヤーズ」みたいなのは典型例。
で、本作はどちらかというと「フォトン」、「デュアル」系で「プリティサミー」からのスピンオフ「BPS」位違う代物。こういった刷新を行い且つ単独作品で観た場合でも面白い作品というのはここ5、6年位自分が求めていた作品なのかもしれない。
この1話45分で13話とかなり変則な、実質1,5クールのアニメがどのように仕上がるかは天地シリーズファンとしてもアニメファンとしても楽しみなところである。
以下余談。
前々からちょくちょく書いていたけれど、私は3Dのロボットがサーカスしているのを観ていても全く面白さは感じない。
というのは昔からVFXを駆使していたジャンルというのはアニメではなく映画であって、別分野で上等な物を見慣れているからこそではないだろうか、動画のセンスだとか以上にお金かけたもん勝ちだと思えるってのも然り。
機構に矛盾が無くなったとか、手間が少ないという利点も理解出来るが、視覚的な悦しみを得られないのは致命的で、この傾向が主流である限りは昨今のロボットアニメの大多数を高く評価出来ないのは変わらないと思う。
IGLOOとか凄いけどね、おそらくまだまだ発展途上の手法で魅せ方次第では化けるとも思うけれど、今のところ多くの作品を見る限りは「手抜き」な表現以上には評価出来ないことが多い。
新劇破とかは3Dのデータに2Dの描画乗っけて、みたいな手法(だった筈)で手間がえらくかかるのは観てるだけの側からも分かるけれど、あそこで観たものは確かにアニメだったと思う。本作もそうなのかもしれないが、そういったアニメ独自の観る側に興奮を与える作画というのは非常に大事だと思う。
ロボットアニメに限らず小物の車が3Dで、中の人物たちはスモークで見えないみたいな手法は今では浸透しているし、すべてがすべて3Dだから駄目、なんていう前時代的なことは思っていないけれど、技術の進歩の一方で技能の消失がおこるのを漫然と受け入れる訳にはいかないかな。
勇者シリーズ直撃世代でセル画信者だからこそ余計にそういうの無駄に考えちゃうんでしょうかね。購買層の多くにはそんなこと気にしないでしょうが、商品を作品、品物を芸術品として見た時こういう人によっての拘り、みたいなのが生まれるのではないでしょうか。