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2009/06/30 23:48 【映画感想
エヴァンゲリオン以来―――余りにも風変わりでありながら、一般向けという垣根すらも存在しない程に広く親しまれたその作品は後世のアニメに余りにも高すぎるハードルとして君臨する事となった。

「所詮エヴァのパクリ」「エヴァの影響受けすぎ」「エヴァ程は面白くない」「エヴァは次元が違う」、この様なニュアンスの言葉がファン、アニメ制作スタッフを問わず96年以降何度飛び交ったことだろうか。


しかし―――2009年。


13年もの時を経て、エヴァ越えを果たしたのは「破」を冠したヱヴァであると、EVAを知る人ならば誰でも本作を観てそんな感想は抱くのではないだろうか。それ程までに本作は素晴らしい作品であったと思う。

作画、動画、演出、構成のどれをとっても「序」や無印とは比較にもならない。これ程までに目の離せない、人を惹きつけて離さない2時間を過ごした経験は未だかつて無かっただろう。

「序」の感想では旧作品との技術的な相違点について述べたが、本作は共通点の方が少ない具合なのでその点については割愛。主だった変更点とその感想、考察についてのみ述べる。

・序盤(北極基地周りの話)
前回の「序」においてサキエルが第四使徒となり、ブランクとなっていた第三使徒は鬼頭莫宏デザイン。永久凍土・・・ってことはロシアか?でも何か北極基地とか言ってた様な気がするような場所の下に保管されていたという骨とコアのみな第三使徒と多脚型メダr、もといヱヴァンゲリヲン仮設5号機の戦闘から舞台の幕は開く。CGで動かす事を前提としたあのデザインは正に派手な戦闘シーンの為のもので、トンネル内でさながらレースシーンのように動き回る二体の新規機体の疾走感は「破」を象徴したものであり、掴みとしてバッチリ。そこを抜けた後の止めは仮設故の力不足が否めない五号機をそのパイロットのマリが自爆させるという形で〆られる。

仮設五号機のお披露目は同時に新キャラクターのマリのお披露目も意味する、そう、正直シーンとしてのインパクトよりもこの新キャラクターがどういうキャラなのかという事に意識が先行してしまった為に印象としては戦闘シーンそのもの以上にマリがアグレッシブに戦ったというものが色濃く残っている。第一印象はフリクリっぽいキャラ、第二印象もそう、尺が短いせいもありほぼ戦闘シーンの印象になってしまうのは必然か。とりあえず「破」の出来栄え同様思った以上にマリのキャラは良かった。

加持君とマリのパイプは分かるが、マリが屋上で英語で話す相手は加持君なのかなぁ、上で述べたように人物の背景描写はそう多くなかったのでちょっと分からない点は多い。あとはリツコが電話で話していた相手はマリなのではないだろうか、マリのセリフの端々には技術屋っぽい感じはあるし、マリがリツコを先輩と呼ぶのにも違和感はないと思う、ていうか他に該当するキャラがいないしね(予告で出ていた他のチルドレン達とか位かな)

第三使徒はアケロン(この世とあの世を隔つ川)に封印されていて、そこから出てきたということだが何故そんな所に・・・封印されていたのに何故出てきたか、という謎もあるがあのセカンドインパクトで空いた穴の通り道みたいなのが=アケロンという解釈でいいのだろうか。なんでそこで封印出来て(ネルフ本部に向かうにしても)北極側から出てくるってのも謎だけど、その辺は設定資料集とか待ちかな、どう考えても尺的に描けなかった部分だろう。

ていうかアケロンとかギリシャ神話じゃない、日本の三途の河の概念と似た感じで死者と生者の境ががどーこーという概念であるけど、こういう発想はユダヤ/キリスト教的では全く無いよね。所詮用語の話に過ぎないのでいいけど。

加持さんが北極基地から持ち帰った「ネブカドネザルの鍵」は無印や漫画版の赤子というか化石っぽいアダムとは違って神経みたいな形をしてて、あれっていうのは話を観ていた限りでは「ダミープラグ」の根幹となる物なのではないのかな(北極基地で~みたいな話はしていたし、辻褄としては出鱈目ではないと思うのだが、今度二度目を観に行く時に確認することにする)

・アスカの話

愛してる、俺アスカと結婚する。

ガギエル(デカイ魚みたいなやつね)は構造上のこともありパス、アスカ来日は全編新規で海ではなく華麗に第三新東京の空から降ってきて、後のイスラフェル(シンメトリカルなアレね)もカットなので初登場のおもちゃの水鳥の様な使徒をイナズマキックで倒して華麗に登場。エヴァに飛行ユニットが付いているのを見てこれは・・・と思ったら落ちるのに使うだけだったという。

バルディエルからの件は無印でアスカがゼルエルにやられた後の廃人までのステップを省略したのかなぁと思っていたのも束の間早々に出てくるゼルエルたん。そしてアスカに泣き言を言わないままにレイの名台詞「私が死んでも・・・」を全否定し2人目を助け出す非常に男気溢れるシンジ君を見る限りでは、もうあの病室でのシーンのカットは間違いなさそう。

しかしここは「破」の中でも随一と言える物凄い魅せ場で、アスカの使い処を入れたかったという発想から従来のファンが何よりも驚くだろうというこの流れを作ったのは脱帽モノ。トウジがバルディエルの時に死なないみたいな印象は前から言われていたような気がするので驚きはしませんでしたが、アスカでそれをやるとは誰も思わなかっただろう・・・。

・リメイクサハクィエル
最早別物、そんな使徒いたなぁと余りデザインが記憶にない使徒なのだが、少なくともあんなに面白い動きと形をしている使徒ではなかった。衛星軌道上から自ら落下してくる使徒ね。これをエヴァ三機で受け止めて、アスカが個人プレーには限界があることを悟る話だが、その描写は矢張り尺が短いので唐突ではあったね。序盤~中盤の魅せ場の一つで、特に第三新東京の街のシステムを利用した描写(ゼルエルを上に運ぶのとは違うよ)はベストシーンの一つだと思う。本当に見所が次から次から出るのが本作の特徴。

八島作戦が終わったのに零号機のカラーリングがオレンジからブルーに変わらなかったので、ここで(損傷率30パーセントちょいではあったが)変わるかなぁとも思ったがゼルエルまでずっとそのままで通したね。

・シンクロ率の話~機体全般の話
マリが弐号機に、アスカが参号機に搭乗している(後者は本人が動かすことはないのだが)。従来ではレイが零号機以外に乗れるようなことをほのめかしていた位で、各機体の魂とリンクする必要性から一機体につき一パイロット原則は確かに存在した。本作でも「臨界点突破」「人では無くなってしまう」という様にシンクロ率の設定は消えてはいないようではある。マリとアスカの精神が似ているというか、キャラが被っている所は名前からしてもそういう意味合いはあるのだろうし、もしかしたら大量のレイの時の様にアスカのクローン云々という話も考えられなくはないし、参号機にしてもトウジをカットした以上どうとでも修正出来そうではあるし(そもそも動かしてはいないし)物語の演出上ということで目を瞑ってもいい大事の中の些事の一つかな。
新スーツはとてもけしからんのは良いけど赤に緑があんなに主張していたのはちょっとどうかと思う。

新弐号機は好きになれない、おもちゃが売れないから、という理由での変更らしいが別に角なんていらないしエヴァシリーズの中で弐号機が一番好きな私は悲しいばかりなのだけど・・・あのシンプルでありながらもワンポイントがある感じが良かったのに・・・カラーリングも白を入れたことでフォルムの完成度が下がったように見えるし。逆に参号機何かは良くなった、顔の赤褐色部分が広がって武者だとか鬼だとか、兎に角和風っぽいイメージがのって黒と白のコントラストや比率も良い感じになったと思う。

「序」の時も軽く触れたがエヴァシリーズのボディのフォルムは随分変わって、特に胴体がかなりずんぐりむっくりな感じになった。プラモデルで作っているせいもあるから余計にそう感じるのかもしれないがロボットっぽさは上がった、でもあんなに疾走させたりするのにロボットっぽくしても・・・と思うのだけど商売重視なデザインが先行してる/違ったワンポイントをというのはしようがないか。

弐号機の(他の使徒にもあるのかもしれないが)新能力「モードビースト」。エヴァが搭乗者諸共極限まで凶暴化するバーサーカーモード。暴走一歩手前な感じでかなりアグレッシブに動く。正直これは凄かった以外にはマリの株がガンガン上がっていった位しか言うことが無い。

・他の使徒の話
サンダルフォン(マグマダイバーのやつ)、マトリエル(溶解液垂らす蜘蛛みたいなやつ)、イロウル(ウイルスのやつ)
レリエル(影のやつ)は全部カット。

バルディエル(参号機に取り付くやつ)の侵食型としての扱いが増してて、ゼルエルからちょっと要素を移行した様な感じに見受けられた。普通にバルディエルさんも元々侵食型ですしね、喰われるけど。んでゼルエルが絶対防御型だとかそんな感じの扱いを受けていて件の布状の腕を硬質化させて侵食するという描写に変わって、使途がエヴァを喰うというシーンに。心理的侵食のシーンはバルディエルさんに譲って、捕食吸収による見た目の変質ってのがゼルエルさんの新しい魅力となっている。


・カットされた日常シーンと追加された日常シーン。
キャラクター同士の掛け合いは加持さんとシンジ君の初対面のシーンをはじめとして相変わらずかなり端折られており、無印視聴はほぼ必須と言えるだろう。極力日常を削って新たに挿入されたのは良い方向へと向かう可能性を示唆しつつも、その後一気に堕とすという映画志向の流れは非常に上手くいっていたと思う。あとサービスシーンになると顔が若干崩れるのは何かちょっと恣意的なものを感じる。

海の匂い、生命の匂い、L.C.Lの匂い、母親の匂い、綾波の匂い、のくだりは良かったし、本編への適応度も現状これ以上は無いほどであったと思う。

・挿入歌
これだけは本作の中で唯一どうかと思うわ。

・月関連
六号機に関しては従来と作りが違う位しか今の所言う事はないか。
カヲル君がゲンドウたちを見て「お父さん」発言は「アダム」と「リリン」がどうこうというニュアンスなのではないだろうか。レイの精製とカヲル君の精製方法が一緒だとしたらその精子が云々みたいな話はありえそうではあるが。

セカンドインパクト跡地を見てのゲンドウたちは「原罪」から解き放たつといった具合の話をしていて、これはアダムとイヴが最初に犯したという罪、この罪によって人類は先天的に持つ罪、「原罪」を負ってしまって、その原罪から解き放たれるための新たなるコスモス(秩序)の生成=~インパクトみたいな感じか。その代償に従来の生き物を全滅させるというやつね。

・マルドゥック計画の話
マルドゥック機関とは別な意味なのだろうか、仮設五号機が無くなって/北極基地の襲撃を受けて頓挫と言っていたし、仮にこのマルドゥック機関をチルドレン養成機関として捉えるならトウジを選出する件の消滅と共に一緒に消しておかなければならなかった設定だったということなのだろうか。

・件のカセットテープの曲番号の謎の話。
「破」では自分が確認した限り26→25→26→27であった。26話は無印の話数で、27は明らかにそれからの脱却、スタッフが言う所の二者択一の分岐で別の道に進んだということを示しているのだろうと思う。



ひとまずこんなもんで、一回目の視聴で気になったことは大体挙げたと思う。

昨日観に行って来たのですが、明日にも二度目を観に行く予定。

検索用: 新世紀 エヴァンゲリオン 新劇場版:「破」 感想 考察 批評 

関連日記:

・(※ネタバレ有り)新劇場版ヱヴァンゲリヲン第二弾:破 感想と考察 2回目鑑賞後

・(※ネタバレ有り)新劇場版ヱヴァンゲリヲン第二弾:破 感想と考察 3回目鑑賞後

・(※ネタバレ注意)新劇場版ヱヴァンゲリヲン第二弾:破 感想と考察 4回目鑑賞後

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テーマ:新世紀エヴァンゲリオン - ジャンル:アニメ・コミック

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